SaaS CMSとは、CMSのソフトウェアと運用基盤を、インターネット経由のサービスとして利用するCMSです。利用企業は自社でCMSをインストールせず、サービス提供会社が管理する共通基盤を利用します。
SaaS CMSの選定で重要なのは、機能一覧だけではありません。アップデート、セキュリティ、バックアップ、障害対応、データ移行、外部連携などを、提供会社と利用企業のどちらが担うのかを確認する必要があります。
※クラウドCMSは幅広い意味で使われます。SaaS CMSは、その中でもアプリケーションと基盤をサービスとして利用する形態を明確に指す言葉です。本サイトでは、CMSとサーバーを一体で提供するSaaS型を主なクラウドCMSとして扱います。
この記事のポイント
- SaaS CMSの本質は、ソフトウェアの提供場所ではなく責任分界にある
- 標準機能を活用することで、保守と運用を標準化しやすい
- 契約前に、SLA・データ出力・外部連携・解約時の対応を確認する
- 自社独自の開発が多い場合は、SaaS以外の選択肢も比較する
SaaSはSoftware as a Serviceの略で、ソフトウェアを購入・所有するのではなく、サービスとして利用する提供形態です。SaaS CMSでは、利用企業はブラウザからCMSへアクセスし、サービス提供会社がソフトウェアと基盤を継続的に運用します。
契約期間中は同じサービスを継続的に利用し、機能改善やセキュリティアップデートがサービス全体へ適用されます。このため、利用企業ごとに異なるバージョンを長期間維持するパッケージ型CMSとは、アップデートやカスタマイズの考え方が異なります。
クラウドCMSは、「クラウド環境で利用するCMS」を広く指すことがあります。パッケージCMSをクラウドサーバーに導入した構成も、クラウドCMSと呼ばれる場合があります。
一方、SaaS CMSは、CMSのアプリケーションと基盤をサービス提供会社が管理し、複数の利用企業へ継続提供する形態です。したがって、比較時には名称より、次の質問で実態を確認する方が確実です。
- CMS本体のアップデートは誰が行うか
- サーバー監視・バックアップ・障害復旧は契約に含まれるか
- 利用企業ごとに自由なカスタマイズができるか
- 契約終了時にデータをどの形式で受け取れるか
- 問い合わせと障害対応の窓口は一本化されているか
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領域 |
サービス提供会社が担う例 |
利用企業が担う例 |
確認事項 |
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基盤 |
監視、バックアップ、復旧 |
利用端末・社内ネットワーク |
監視時間、復旧目標 |
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CMS |
アップデート、機能改善 |
設定・ユーザー管理 |
適用時期、変更通知 |
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セキュリティ |
基盤対策、脆弱性対応 |
ID管理、公開内容 |
責任分界、事故時連絡 |
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コンテンツ |
保存・配信基盤 |
原稿、著作権、公開判断 |
バックアップ対象 |
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データ |
保存・出力機能 |
保管方針、削除判断 |
出力形式、契約終了時 |
アップデートを個別案件として実施しなくてよい
CMSのバージョンアップをサービス提供会社が継続的に実施するため、利用企業が更新プロジェクトを毎回立ち上げる負担を抑えられます。
サービスの標準機能で運用を整えやすい
権限、承認、公開、バックアップなどを標準機能で運用できれば、個別仕様を減らし、担当者交代にも対応しやすくなります。
保守窓口をまとめやすい
CMSとサーバーの提供会社が同じ場合、障害時に原因を切り分ける負担を抑えやすくなります。
継続的な機能改善を利用できる
法改正、ブラウザ変化、アクセシビリティ、セキュリティなどへの対応がサービスへ反映される場合があります。
カスタマイズに制約がある
共通基盤を安定運用するため、ソースコードの直接改変や独自機能の追加が制限される場合があります。
サービス仕様の変更を受ける
管理画面や機能が更新されることがあります。変更通知、教育、影響確認の方法を確認します。
ベンダーロックインへの備えが必要
契約終了時のデータ出力、URL維持、移行支援を確認し、将来の移行可能性を確保します。
利用量に応じて費用が増える場合がある
サイト数、ユーザー数、アクセス、ストレージ、オプションによる料金条件を確認します。
- サービス提供範囲と責任分界
- 稼働率・障害対応・復旧目標
- バックアップの頻度と保持期間
- セキュリティ対策とインシデント時の連絡
- CMSアップデートの頻度と通知
- ユーザー数・サイト数・容量の上限
- 外部サービス・API連携
- データの所有権とエクスポート形式
- 解約・サービス終了時の移行支援
- 料金改定・契約更新の条件
ShareWithは、CMSだけでなく、サーバー、セキュリティ、サポートを一体で提供するSaaS型のクラウドCMSです。CMSとサーバーの運用、セキュリティメンテナンス、システム保守、バージョンアップ、操作サポートなどをワンパッケージで提供すると説明しています。
そのため、CMS本体はSaaS、サーバーは別会社、操作支援は制作会社というように窓口が分散する構成と比べ、責任分界を整理しやすい点が特徴です。ただし、サイトの原稿作成、公開判断、アカウント管理など、利用企業側が担う業務は残ります。
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SaaS CMSはカスタマイズできませんか?
サービスが許可するテンプレート、設定、API、オプションの範囲では対応できます。ソースコードを自由に改変できるかはサービスごとに異なります。
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SaaS CMSは買い切り型より高いですか?
月額費用だけでは判断できません。サーバー、保守、セキュリティ、アップデート、サポートを含む5年間の総費用で比較してください。
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SaaS CMSのデータは誰のものですか?
契約条件によります。コンテンツの権利、データ出力方法、解約後の削除時期を契約前に確認してください。
SaaS CMSを選ぶときは、機能の多さよりも、サービス提供会社へどこまで任せられるか、自社にどの責任が残るかを確認することが重要です。標準化による運用負荷の軽減と、カスタマイズ制約のバランスを評価しましょう。

