シェアードサービスで利用するITサービスを検討している様子

 

シェアードサービスを導入することで、間接部門が集約されます。そのため、各部門に適したIT環境インフラを整備することが大切です。これまで各部門や部署間が独自に導入していたソフトウェアやサーバーなどを見直し、統一・管理しやすいシステムを検討するとよいでしょう。本記事では、各部門で利用したいソフトウェアやクラウドサービスについて解説します。

この記事のポイント

  • シェアードサービス導入の際には、各部門に適したソフトウェアやシステムを活用する
  • 情報共有しやすいクラウドサービスや、ヒューマンエラーなどを低減させるRPAなどの導入を検討したい
  • シェアードサービス導入の企業事例をみると、やはりコスト削減や業務標準化、業務効率化に繋がっていることがわかる

シェアードサービスで解決できるITの課題とは

シェアードサービス導入は、現状のIT活用における課題解決に繋がります。ここでは、主な課題をみていきましょう。

人事や総務、経理、調達業務の効率化、標準化

グループ会社や事業所では、それぞれが独自にITシステムを導入しているケースがあります。たとえば、人事や総務、経理や調達といった業務が各所でバラバラのシステムで行われると、組織全体のデータの統一性が欠如してしまいます。その結果、集計時に業務の重複や手作業の増加などの問題が発生しがちです。


シェアードサービス導入の際にこれらの業務システムを統一することで、効率化と標準化を実現できます。各部門のシステムが統一されることで業務の重複が減り、データの一元管理が可能となり、全体的な業務効率の向上が期待できます。
 

セキュリティ対策の効率化

各グループ会社や事業所で異なるITシステムを使用していると、セキュリティ対策の水準も統一されていないケースがあります。これにより、組織全体でのセキュリティポリシーの統一が難しく、管理の手間が増加し、何よりセキュリティリスクが高まるという課題に繋がるのです。


シェアードサービスを導入することで、セキュリティ対策や基準を統一しやすくなりますので、効率的に全体のセキュリティレベルを向上させることが可能です。統一されたセキュリティポリシーの下で管理が行われるため、リスクの管理が容易になり、インシデント対応も迅速に行えます。

ナレッジやノウハウの蓄積

シェアード化は、ナレッジやノウハウの分散を防ぎます。各部門で得られた知識や経験を統一されたシステムに一元化して管理できるため、組織全体での共有が容易です。


たとえば、人事部門での効果的な採用プロセスや経理部門でのコスト管理のノウハウが、各グループ会社や事業所でシェアできるため、全体の業務品質向上に繋がります。


組織全体の知識レベルが向上し、新たな課題に対しても迅速に対応できるようになるでしょう。


シェアードサービスについては、「シェアードサービスとは?概要と対象業務、期待されるコスト削減について解説」にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

部門別に利用したいIT・クラウドサービス

シェアードサービス導入の際には、各部門に適したソフトウェアやシステムを活用しましょう。ここでは、3つの部門に分けてみていきます。

経理・財務部門

  • クラウド会計ソフト
    会計処理をクラウド上で運用するため、複数のユーザーが同時にアクセスでき、リアルタイムでデータを共有することが可能です。自動仕訳機能を活用すれば手動で行っていた仕訳作業が自動化できるため、入力ミスなどのヒューマンエラー削減と作業効率化が実現可能です。外部の会計事務所ともデータを共有できるソフトウェアならば、決算作業もスムーズに行えるでしょう。
     
  • 経費管理ソフト
    領収書のスキャンやスマートフォンでの撮影によって、デジタルデータとして経費情報を一元管理できるソフトウェアもあります。経理管理ソフトを使えば、経費申請から承認、支払いまでの流れがスムーズになり、不正利用の防止にも繋がるでしょう。経費データの分析機能が使えば、経費の傾向を把握やコスト削減の施策も容易になります。
     
  • RPAツール
    RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールとは、定型業務の自動化するソフトウェアです。たとえば、請求書発行や支払い処理、データ入力などの繰り返し作業をRPAツールに登録することで、作業が自動化されるため業務効率が向上し、作業工数が大幅に削減されます。自動化されることでヒューマンエラーが減少することもメリットです。

人事部門

  • HR管理システム
    HR管理システムは、採用から退職までのすべての人事プロセスを統合し、従業員の情報をリアルタイムで管理できます。労務管理の効率化が実現でき、さらに従業員のキャリアパスやスキル管理も容易になります。データ分析機能を活用すれば、人材戦略の立案にも役立つでしょう。
     
  • 採用管理システム
    応募者の情報が一元管理でき、面接のスケジュール調整や進捗状況の確認も容易になります。また、求人情報の掲載や応募者とのコミュニケーションもシステム内で完結できるソフトウェアならば、採用担当者の負担が大幅に軽減されるでしょう。
     
  • 給与計算システム
    給与計算業務を自動化し、ミスのない迅速な処理を実現します。勤怠データや人事情報と連携することで、正確な給与計算が可能です。また、法改正などが行われた際にも、ソフトウェアを提供するベンダーが迅速に対応するため、常に最新の基準で給与計算を行うことができます。

IT部門

  • クラウドインフラサービス
    クラウドサービスとして提供されているサーバーやストレージを活用することで、物理的なコンピューターの購入費用や設置場所などの初期コストが不要になります。また、保守・メンテナンス、インフラセキュリティ対策などの運用コスト削減も可能です。クラウドで提供されるインフラサービスはスケーラビリティが高く、必要に応じてリソースを柔軟に増減できるため、急なアクセス増加にも対応可能です。また、災害時のデータバックアップやリカバリといったBPO対策にも活用できるため、システムの信頼性が向上します。
     
  • サーバー管理ツール
    サーバー管理ツールを導入すれば、複数のサーバーをリモートで監視したりメンテナンスしたりすることが可能になり、異常発生時には迅速に対応できます。ソフトウェアなどの自動更新やバックアップ機能を備えているツールならば、サーバーの安定運用も確保できるでしょう。これにより、IT部門の負担が大幅に軽減されます。
     
  • セキュリティソリューション
    様々なベンダーが提供するセキュリティソリューションを導入して、セキュリティ対策を行うと便利です。ファイアウォールやウイルス対策ソフト、侵入検知システム(IDS)など、多層的な防御策を講じることで、サイバー攻撃からの防御を強化します。サービスによっては、セキュリティポリシーの策定や従業員教育なども行われるため、全社的なセキュリティ意識の向上が期待できます。
     
  • クラウドCMS
    クラウドCMSは、Webサイトのコンテンツ管理を効率化します。クラウド上でWebサイトの運用ができるため、インターネット接続があればどこからでも管理画面にアクセスでき、複数の担当者が同時にコンテンツを更新できます。一貫したデザインやセキュリティ水準を保つこともできるため、Webガバナンス強化にも適しています。
     

Webガバナンスについては、「Webガバナンスとは?実現するメリットと成功させるためのポイントを解説!」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

Webサイト運用業務にシェアードサービスを導入するなら「ShareWith群」がおすすめ

上で紹介したように、シェアードサービスでは各種業務に適したソフトウェアやシステムの導入が検討されます。


間接部門に関わらず、多くの部門に関わる業務がWebサイト運用です。シェアードサービス導入にあたっては、他の業務集約と同様に、これまでバラバラに運用されていたサイトを一度棚卸しし、運営体制やコスト、利用しているサーバーインフラなどの調査を行う必要がでてきますが、それら多数のWebサイトを新システムに統合させるためには時間ととコストが必要になるでしょう。これらの課題を解決できるのが「ShareWith群」です。


ShareWith群は、複数のサイトを統合管理できるクラウドプラットフォームです。多種多様なサイトを統合して管理できるため、シェアード化にも適しています。これまでの運用形態をそのままに、大規模化して複雑化したWebサイトでも、すべてを集約して一元管理できるため、バラバラに運用されていたWebサイトを統合管理できるようになります。


ShareWith群については、こちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

シェアードサービス導入する際には、シェアード化する各間接部門で利用しやすいIT環境を整えることが大切です。


これまで分散していたシステムを集約して管理し、グループ会社や事業所との連携もしやすいクラウドサービスや、自動化に有効なRPAなどを主に検討することをおすすめします。


Webサイトの運用業務のシェアード化も、同様にクラウドサービスの選択肢があります。多数のサイトを統合することに特化したソリューション「ShareWith群」なら、複雑なシステムや体制の統合検討も進めやすくなります。

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