IRサイトを運営する上で避けて通れない、決算短信などの適時開示資料の掲載作業。TDnetの掲載を行った後の、自社IRサイトへの掲載作業は、機密情報となる公開前の開示資料を社内外と共有、連携して行うため、掲載ミスのリスクが高くなります。決算日の忙しい時期に発生する掲載作業でもあることから、これら開示作業を効率化したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

本稿はTDnetおよびEDINETへの適時開示に伴う、IRサイト更新の作業負担を減らす方法について解説します。IRサイトの運営に課題を感じられている方は、ぜひお役立てください。

この記事のポイント

  •  TDnet・EDINETへの適時開示業務は大きな負担となる
  • 適時開示業務の負担軽減には自動連携ツールの導入が必要
  • 自動連携ツールまでワンパッケージになったクラウド型CMSなら更に負担軽減ができる

IRサイトへの適時開示作業は負担が大きくなりやすい

決算日前後の適時開示作業はチェックや掲載準備で多忙である。

TDnet(適時開示システム)へ掲載する情報は財務情報以外にも、人事異動や株主移動に関する情報など、多岐に渡ります。決算日には開示する決算短信のチェックしつつ、自社サイトへの掲載準備も並行して行う必要があります。

 

IR部署が直接サイト更新を行っていない場合、他部署のWEBマスターや外部の制作会社に決算短信のファイルをTDnetでの情報開示前に委ねなければなりません。「IR担当以外の人物」にとって、預かった情報、特に決算短信のようなPDF情報の正誤は判断しづらいものです。「ファイルを取り違えていないか」「TDnetより先に情報が開示されてしまわないか」など、正確な情報の公開を見届けるまで油断は禁物。株主総会の運営や有価証券報告書の作成など多忙な決算日前後に、このような“綱渡り”作業は、出来るなら省略してしまいたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

TDnet・EDINET自動連携システムとは

自動連携システムの導入で機密情報やり取りの必要がなくなるためIR担当者の作業負荷削減が可能になる。

適時開示に伴うIRサイト更新の作業負担を削減しようと考えた場合、自動連携システムの導入が選択肢として浮上します。複数のベンダーが提供しており、大きく分けて次の2種類があります。

 

 

  1. TDnet・EDINETとの自動連携機能のみを提供するもの(自動連携単体型
  2. サイト更新システム(CMS)の機能の一つとして提供されるもの(CMS一体型


どちらも、TDnet・EDINETとの自動連携機能という点では、「IRライブラリー」のPDF更新や、「財務ハイライト」等で掲載しているグラフの更新が自動で行えるようになる、などの点で共通しています。機密情報を社内外でやり取りする必要がなくなり、掲載ミスのリスクを無くすことができるため、IR担当者の作業負荷削減が可能になります。

自動連携単体型とCMS一体型の違い

自動連携単体型の場合、システムの提供ベンダーと、サイト運用を担当する制作会社とで技術連携し、エンジニアがサイトのシステムに組み込む下準備をすることで、特定のページや場所に、決算短信のPDFや財務グラフの更新を自動化するエリアを設けることができます。


一方、CMS一体型は、こうした下準備が不要となり、自動化する場所やレイアウトも、ユーザーがCMSの編集画面である程度自由に設定できるメリットがあります。


自動化のみが目的であれば、自動連携単体型を組み込み導入する方が安価に実現できるでしょう。しかし、上述のとおり複雑になりがちな企業サイト運営を含めて改善していくならば、運用後のメンテナンス体制や、システム管理(契約や請求処理など)の一元管理が可能になるCMS一体型が最適になります。

「ShareWith」は自動連携機能を備えたクラウド型CMS

ShareWithに搭載されているTDnetとの自動連携機能では、決算短信で開示した内容を一旦サーバーに取り込み、PDFやグラフを「パーツ」という単位で自由に編集、レイアウトすることができます。

 

自動連携機能を「パーツ」単位で自由に編集

ShareWithに搭載されているTDnetとの自動連携機能では、決算短信で開示した内容を一旦サーバーに取り込み、PDFやグラフを「パーツ」という単位で自由に編集、レイアウトすることができます。

図1
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図1
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図2

「売上高」などの勘定科目単位で財務グラフをサイト内の任意の場所へ設置でき(図1)、グラフの体裁の変更(図2)も個別に行うことができます。

図3
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図3
図4
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図4

グラフ作成機能も完備。エクセルを使った更新にも対応

さらには、自動連携しない独自指標や複合グラフによる表現も、ShareWithのグラフ作成機能で対応可能。(図3)。エクセルに近い操作感(図4)で編集できるほか、このように作成したグラフはエクセルによる一括出入力にも対応しています。

 

全ページを編集可能にし、サイト更新の内製化が実現

ShareWithは、管理対象とするサイトの全ページを編集可能にします。直接画面を触るような感覚で更新できるため、ページ更新作業と自動連携機能を一つの管理画面で自在に操作できるため、外部の専門家に頼ることのない運営体制のスリム化が実現します。

まとめ

TDnet/EDINETとの自動連携させるシステムの導入は、IRサイトの運営負担を減らす上で必須とも言えます。ただし、複雑になりがちなサイト運営に目を向け根本的な解決を図るならば、導入後の運営体制や管理コストにも目を向けた統合的な検討が必要でしょう。

 

ShareWithはTDnet/EDINETとの自動連携機能を標準搭載し、更新自動化による負荷軽減を実現しながら、同時に自由度の高い編集機能でサイト運営の内製化も実現します。IRサイトの「運営体制」に課題を感じている方に是非検討していただきたいクラウドサービスです。