公開日 2023年12月28日
レンタルサーバーやオンプレミス型サーバーを利用する企業も多い中、近年ではインフラの管理負担の軽減やセキュリティ強化などを理由にクラウドサーバーへの移行を検討する企業も増えているようです。本記事では、クラウドサーバーの導入を検討している方に向けて「クラウドサーバーとは何か」、「オンプレミス型サーバーやレンタルサーバーとの違い」、「クラウドサーバーの導入メリット、デメリット」から「おすすめのクラウドサーバー」について解説します。
- クラウドサーバーは、物理サーバーやネットワークといったインフラを、提供事業者が管理
- クラウドサーバーを利用すればインフラの管理負担が軽減する
- クラウドサーバーは、BCP対策に必要な要件が容易に設定できる
- クラウドサーバーなら、さまざまなサービスと連携できるAWSがおすすめ
クラウドサーバーとは、インターネットを介して接続するサーバーを指します。一般的には、クラウドサーバーを提供する事業者が物理サーバーを管理し、ユーザーは物理サーバーの中に仮想サーバーを構築して利用します。サーバーはクラウド上にあるため、インターネット回線がつながっていればどこからでもアクセスできます。
オンプレミス型サーバーとクラウドサーバーでは、物理サーバー設備を自社で用意するか、提供事業者が用意しているものを使うかという違いがあります。
オンプレミス型サーバーの場合は、物理サーバー設備(ネットワークを含む)を自社で管理・運用しなければなりませんが、クラウドサーバーを利用する場合は、上述のとおり物理サーバーやネットワークといったインフラを提供事業者が管理します。
事業者が提供するサーバーには、クラウドサーバーの他にレンタルサーバーもあります。レンタルサーバーには、1台の物理サーバー内で分割された領域ごとにレンタルする「共有サーバー」、1台の物理サーバーを丸ごとレンタルする「専用サーバー」、仮想化されたサーバーをレンタルする「VPS」の3種類があり、用途によって選択可能です。
レンタルサーバーとクラウドサーバーでは、主に使えるリソースの柔軟性やコストに違いがあります。両者の相違点は以下のとおりです。
項目 |
レンタルサーバー |
クラウドサーバー |
使えるサーバーの種類 |
・物理サーバー ・仮想サーバー |
・仮想サーバー |
使用リソースの柔軟性 |
・契約ごとに使用できるリソースが違う(リソースの変更には契約変更が必要) |
・リソースを自由に変更可能 |
コスト |
・月額や年額の定額制 |
・従量課金制 |
クラウドサーバーには種類があります。ここでは、主な2種類のクラウドサーバーをみていきましょう。
PaaS(パース)は「Platform as a Service」の略称です。さまざまなアプリケーションを稼働させるためのインフラを提供します。
PaaSで事業者が提供するものには、ハードウェア、OS、ミドルウェアなどが挙げられます。ユーザーからみれば、アプリケーションを実行するためのプラットフォームだといえるでしょう。ミドルウェア以下のインフラは、提供事業者が管理をしてくれるため、アプリケーション開発に専念できます。
Google App EngineやHerokuなどのサービスがPaaSにあたります。
IaaS(イアース)は、「Infrastructure as a Service」の略称です。
事業者は、主にネットワークやサーバー機器、CPUやメモリなどの物理的なハードウェアのみを提供・管理します。ユーザーは、OSやストレージを自由にインストールして利用できます。サーバー機器にインストールするOSから選択できるなど、カスタマイズの自由度が高いため、さまざまな目的で利用できるでしょう。
AWSやMicrosoft AzureなどのサービスがIaaSにあたります。
クラウドサーバーを利用する主なメリットは、管理負担やコストの軽減、バックアップ体制などが挙げられます。
クラウドサーバーの保守や運用などの管理は全て提供事業者が行うため、自社のリソースを割く必要がありません。サーバーを設置するスペースやネットワークの管理などのインフラ全てを任せられることが大きなメリットの一つです。
オンプレミス型サーバーを構築する場合、サーバーやネットワーク機器の購入、データセンターなどの設置場所の準備、インターネットなどの通信回線契約、設置したサーバーやネットワーク配線といった、サーバー稼働にいたるまでの様々なリソースが必要です。
しかし、クラウドサーバーならば、これら全てを提供事業者が準備するため、自社での初期コストを大幅に削減することが可能になります。
クラウドサーバーにて運用しているアプリケーションや、そこに保存されるデータなどのバックアップ設定も容易です。サーバーやネットワーク回線の多重化などでリスクヘッジができ、またデータセンターも遠隔地への複数用意が可能であるなど、万が一大規模災害が起きても可用性を高く保つ事ができます。クラウドサーバーはオンプレミス型サーバーよりも、より簡単にBCP対策を実現することができます。
一方、クラウドサーバーの利用にはデメリットもあります。ここでは、2つの注意点についてみていきましょう。
クラウドサーバーの料金体系は従量課金のケースが多いです。この場合、サイトへのアクセス数が少なければ少額、多ければ高額な費用がかかるなど、状況に応じてコストが変動します。そのため、長期でのコスト予測が立てにくいという面がデメリットになり得ます。
サーバーやネットワークなど、インフラ全般を提供事業者が管理するため、セキュリティ対策も事業者の技術や知識に依存します。
クラウドサーバーを利用する際には、提供事業者のセキュリティ対策レベルをしっかりと確認して選定しましょう。
また、クラウドサーバーの一つであるAWSは「責任共有モデル」という考え方で、セキュリティ対策におけるAWSと利用者それぞれの責任範囲を定義しています。クラウドインフラの上に構築する、Webアプリケーションなどのセキュリティ対策は利用者側が責任を持って構築・運用する必要があります。
こちらもご参考ください。
クラウドサーバーはさまざまなベンダーが提供していますが、中でもAWSは、豊富な数のクラウドサービスを提供しており、またOSやミドルウェアの制限も少ないため、多くの企業に選ばれています。
AWSとは「Amazon Web Services」の略称で、Amazonが提供するクラウドサービスです。クラウド上で、WebサーバーやDBサーバー、ストレージサーバーなど多くのサーバーを構築できます。
また、AWSは利用目的に適したスペックでサーバー構築が可能なため、必要なときに必要なリソースを、適切に増減できることも大きな魅力の一つだといえるでしょう。AWSは、2023年第2四半期時点において、世界一位の33%のシェアを獲得しており、続くMicrosoft Azureの22%と11ポイントの差をつけています。
オンプレミス型サーバーからクラウドサーバーへ移行する際に、多くの企業が選択するのがAWSです。
Webサーバーをオンプレミス型サーバーからクラウドサーバーへ移行する際に併せて検討したいのが、CMSのクラウド化です。
クラウドで提供されているCMSを利用すれば、Webサーバーの運用・管理と共に、セキュリティ対策やメンテナンスを提供事業者に任せられます。WebサーバーをAWSへ移行するならば、AWSをベースに構築されたクラウドCMSへ移行するのもおすすめです。
クラウドCMS「ShareWith」は、AWSを基盤に構築されたCMSです。定額で利用できるというメリットの他、サイバー攻撃対策にも有効なCDNを標準で備えるなど、金融業界の企業にも選ばれる高度なセキュリティ対策を標準サービスで提供しています。
また、大規模化・複雑化したWebサイトのサイト管理負担や、インフラの重複投資といった課題を解決し、複数のWebサイトを統合するためのソリューション「ShareWith群」も提供しています。
ShareWith群については、詳しくはこちらをご覧ください。
Webサーバーをレンタルサーバーやオンプレミス型サーバーからクラウドサーバーへ移行することで、インフラ周辺の管理や保守、運用の負担が大きく軽減されます。新規でサーバーを構築する場合でも、サーバー機器の購入や設置スペースの確保などは必要なく、初期コストを抑えたサーバー構築が可能になりますが、クラウドサーバーへ移行する際には、コスト面などのリスクもしっかりと確認した上で、移行計画を立てることが重要です。クラウドサーバーの中でも、おすすめなのがAWSです。WebサーバーやDBサーバーなどをWeb画面上で素早く構築でき、必要に応じてリソースの増減も臨機応変に行えるAWSは、世界1位のシェアを獲得しています。
また、自社のWebサイトを複数運用している企業であれば、クラウドサーバーへの移行にあわせて、それら全てを1つの基盤へ統合することもできます。Webサイトを統合することで、管理・運用の工数やコストを大幅に削減できるでしょう。Webサイトの統合については、「ShareWith」のソリューションである「ShareWith群」をご検討ください。
多数のサイト群を
AWS環境のCMSへ移行するなら