コーポレートサイトには、投資家や学生に至るまで、様々な属性のステークホルダーがアクセスします。自社の魅力を適切に伝えるためには、アクセスしてくる背景や動機など、ユーザーごとの文脈に沿ったサイト設計やコンテンツ制作が重要です。

また、BtoB企業の場合は、BtoC企業に比べ一般消費者との接点が少ないため、より顕著にコーポレートサイトでの情報発信に課題意識を持たれている方が多いのではないでしょうか。そのような方のために、本稿ではBtoB企業がコーポレートサイトのリニューアルや運用の中で発生しがちな課題をどのように解消すればいいのか解説します。
 

この記事のポイント

  • コーポレートサイトで自社の魅力を伝えるためには、ステークホルダーの属性やアクセス動機に応じた多様かつリアルタイムな情報発信をしなければならない
  • BtoB企業ではコーポレートサイトの情報発信の対象が自社の顧客に偏ってしまいがち
  • 多様な属性のサイト訪問者に自社を理解して貰うためには「ストーリーページ」を起点にしたサイト設計が有効

BtoC/BtoBを問わず、コーポレートサイトが持つ役割とは?

コーポレートサイトの役割は、アクセスしてくるステークホルダーのニーズや理解度に合わせ、自社の魅力を発信していくことにあります。自社の製品やサービス、企業理念、採用情報などに関する様々な情報を、ステークホルダーのアクセス文脈に沿って適切に発信する必要があります。

また、コーポレートサイトにアクセスするのは、知りたい情報が明確なユーザーばかりではありません。何かのきっかけで自社名を知り、漠然と「どんな会社なんだろう?」と興味を持って訪れたユーザーも存在します。

自社に関心を抱いたばかりのユーザーも将来的にはステークホルダーになり得る可能性があり、決して無視できない存在ですので、企業組織のコーポレートサイトにはそういった層のエンゲージメントを高める役割も求められるでしょう。

コーポレートサイトが発信するべき情報は多岐に渡る

コーポレートサイトが発信するべき情報は、投資家向けの「IR情報」「ESG情報」、学生向けの「福利厚生」「採用条件」など多岐にわたる。さらに「サスティナビリティ(持続可能性)」に対する取り組みや、「ESG投資」の観点からも情報を開示して必要がある。

基本的に、コーポレートサイトの設計は会社の所在地や体制など企業の基本情報を中心に構成します。そこに、投資家に向けた「IR情報」「ESG情報」、学生を対象とする「福利厚生」「採用条件」など、特定の情報を求めるステークホルダー向けに情報をカテゴライズして構築するのが一般的です。

これにより、求める情報が予めはっきりしているユーザーの要求は満たせます。しかし、多くのユーザーは「できるだけ早く情報を手に入れたい」と考えているため、知りたいことが分かればそのまま離脱してしまいます。

情報発信する企業としては、さらに自社の魅力をサイトから読み取って欲しいものです。しかし、「自社の強みは何か?」「社会や環境にどんな貢献をしている会社なのか?」などを伝えるための情報は、事業内容や価値を生み出す仕組み、社員の様々な取り組みなど、内容は多岐にわたるため気軽に読める情報量ではありません。

さらに、近ごろのコーポレートサイトは、「サスティナビリティ(持続可能性)」に対する取り組みや、投資家主導のサスティナビリティである「ESG投資」の観点からも情報を開示し、企業の信頼性を高めていく必要があります。

以上の理由から、企業組織のコーポレートサイトは非常に幅広い層に多様な情報を、なおかつリアルタイムに発信しなければならず、作ることはもちろん、読んでもらうこと自体も容易ではありません。ステークホルダーに対し適切に情報を発信し、関係性を強化するためには、コーポレートサイトは“ただ作っただけ”では不十分で、興味喚起と理解を促す適切な情報設計が必要となります。

BtoB企業は自社の魅力の言語化が不得意な傾向がある

前述の通り、企業組織のコーポレートサイトには幅広い情報を、読んでもらえるよう工夫して発信していくことが求められます。

BtoC企業の場合は、常に多くの一般消費者に向き合っているため、情報発信の対象も自ずと不特定多数の「社会」に向けた“わかりやすいもの”になっていることが多いといえるでしょう。
その点、BtoB企業の場合、普段一般消費者との接点が少ないこともあり、自社の魅力を言語化し発信することに苦手意識を持っていることも少なくないようです。
「自社のサイト情報は一般の人には伝わりづらい」との課題認識はありながらも、顧客以外のステークホルダーに「どのように情報を届ければよいか?」がわからず、人的リソースもコストもかけられず、情報発信が滞ってしまっているBtoB企業は多く存在するのではないでしょうか。

BtoB企業のコーポレートサイトでは「ストーリーページ」を起点にしたサイト設計が特に有効

BtoBのコーポレートサイトでは「どのように成長するのか?」「今後も成長し得るのか?」がざっと読んだだけでわかる「ストーリーページ」を起点にしたサイト設計が有効

幅広い情報を整理し、多様な属性のステークホルダーに対し効果的な情報発信を行うためには、自社のビジネスモデルや企業価値を統合的にまとめ、情報の全体像が分かる「ストーリーページ」の制作と、そこを起点としたコーポレートサイトの設計が有効です。

「ストーリーページ」は、過去・現在・未来に渡り、自社のビジネスが社会や環境と寄り添い、関わり合いながら「どのように成長するのか?」「今後も成長し得るのか?」がざっと読んだだけでわかる、ユーザーが企業を理解するための足掛かりとなるコンテンツです。

ストーリーページはただ作成するだけでなく、サイトを訪れたユーザーに「このページを開けば、この企業の全体像がわかりそう」と直感的に理解してもらい、自ずとそこをクリックするような導線設計を行うことも重要です。

さらに、ストーリーページの内容に興味を持ったユーザーがより詳細な情報にアクセスするための内部リンクを効果的に配置すれば、サイトに訪れた様々な属性のステークホルダーに対し、段階を踏んで自社を理解して貰うことができます。

野村IRが提供するコーポレートサイトの課題解決のためのソリューション

自社の強みや特徴、競争力をアピールするためには、企業の本質的価値をストーリー立てて伝える必要があります。そのためには、自社を深く理解した人材がコンテンツを考え、コーポレートサイトを構築していかなければなりません。

しかし、コンテンツに強い人材は一朝一夕では確保しにくいのが現実です。制作をすべて外部のプロに任せる選択肢もありますが、社外人材に頼ってばかりでは社内にコンテンツを生み出す人材が育ちません。野村IRでは、そのような企業課題を解決するためのソリューションを提供しています。

新たな企業ストーリーの作成と自走力強化を実現する「コミュニケーション戦略チーム組成」

野村IRの「コミュニケーション戦略チーム組成」は、実績豊富な野村IRのスペシャリストが「創発スタイル」で企業のコミュニケーション課題を解決するためのサービスです。

それぞれの企業の人材状況にフィットする合同チームを野村IRの人材と合わせて組成し、「経営」「事業」「採用」といった社内外コミュニケーション上の課題に対し、共に考え、悩み、解決していきます。それにより、新たな企業ストーリーを作成すると同時に、企業の運営メンバーの能力開発にも繋がります。

簡便なコーポレートサイトリニューアルを実現するクラウドCMS「ShareWith」

野村IR開発のクラウドCMSである「ShareWith」は、企業組織のコーポレートサイトに特化した機能が揃っており、ストーリーページを軸としたコーポレートサイトを構築する場合はマッチ度の高い選択肢となります。

ShareWithを使えば、最新のコーポレートサイトのデザイントレンドや設計を取り入れたリニューアルを手軽に実現可能です。Web制作会社に依存しがちなサイトの更新作業が社内で完結できるようになり、コンテンツを生み出す社内の運営チームが、より自由に、高い生産性で持続的なコーポレートサイトの運営ができるようになります。

まとめ

BtoC/BtoBを問わず、コーポレートサイトは自社の魅力を様々な属性のステークホルダーに伝えるため、非常に幅広い情報を発信しなければなりません。そんな中、BtoB企業は、普段は一般消費者との接点が少なく、自社を魅力的に伝えることに苦手意識があり、コーポレートサイトでの情報発信が停滞してしまっているケースがあります。

多様な属性のユーザーに企業の魅力を伝え、理解を促すには、自社の全体像が端的に説明されている「ストーリーページ」を起点にしたサイト設計を行うことが効果的です。野村IRでは、社内での運営チーム作成を支援する「コミュニケーション戦略チーム組成」サービスや、コーポレートサイトに特化したクラウドCMS「ShareWith」を提供しています。自社のコーポレートサイトを使った情報発信に課題を抱えておられる方は、ぜひお問い合わせください。